前回の記事でレズビアンの恋愛生態系について書いたので、
今回は生態系の中の一つ、インターネットで恋愛するレズビアンについて書きたいと思います。
レズビアンの恋人募集の掲示板などで面白いのは、プロフィールにフェム・ボイ、タチ・ネコをはっきり書く事です。
フェム・ボイ・タチ・ネコ……全く耳慣れない言葉ですよねw
折角なので覚えていって下さい!
15人に1人居ると言われているLGBT(ゲイやバイの総称)の中では小学1年生レベルの超重要語なので。
ボイとフェムの違い
まずフェムとボイ。これは何となく分かりますよね。
フェミニンとボーイッシュの略で、自分の見た目を表します。
どちらとも言えない場合は「中性」とも言います。
でも皆自分の見た目をはっきり限定したくないので、「フェムよりの中性です」とか「自分ではボイのつもりなんだけど周りからは中性だよって言われます」とか細かく書く人が多いです。
大雑把な傾向ですが、フェムはボイを、ボイはフェムが好みな場合が多いです。
レズビアンと言うとグラマラスでロングヘアのセクシーな女性が絡み合ったり、可愛らしい女の子二人がはしゃいでいる様子を想像される事が多いですが、それは幻想ですw 勿論そういうカップルも居ますが、大方はどちらかがボーイッシュです。
タチとネコの違い
タチorネコ問題は、ボイorフェム問題と本質は同じなのですが更に内面へ踏み込んでいます。
タチとネコとはつまり、ベッドの上で男役か女役かという話です。
これも又すごく不思議な事です。
男女も普通にインターネットで知り合ったり恋人を見つけたりする時代ですが、性行為目的の掲示板で無い限り、プロフィール欄にベッドでの役割なんてまず書かないでしょう。書かれてたらドン引きですねw
でもレズビアン界ではそれを書かないと始まらないのです。
理由はレズビアンが皆いやらしいから、ではありません。
タチかネコかを表明する事は、恋愛出来る相手かどうかを表明する事と同意義だからです。
異性愛者に置き換えて考えてみましょう。
女性のつもりでずっと話していた相手が実は男性だったらびっくりしますよね。それ迄話していた事が全てまやかしだった様にすら感じてしまいます。態度も変わっちゃいますよね。
ただ異性間でこういうトラブルはまずありません。
悪戯目的で無い限りネット上で性別を誤魔化す必要は無いし、何より実際に会えば男か女か一目で分かるからです。わざわざ「あなた、ベッドではどちら役ですか」なんて聞いて相手への態度を決めるなんて失礼な事をする必要がありません。なぜなら一目見て異性だと判別出来た時点でベッドでの役割は暗黙の了解となるからです。
しかしレズビアンは違います。
見た目だけではタチかネコか分からないのです。
一般的にボイ=タチでフェム=ネコである傾向が高いのですが、一概には言えません。だから、最初にまず踏み込んだ事を聞かないと、恋愛候補として接したらいいのか友達候補として接したらいいのか判別できません。
だからレズビアンは、エッチな人であろうとなかろうとまずはタチかネコかを他人に表明しないといけないのです。
そんな明け透けな自己申告をわざわざしなければいけない事に違和感や不快感を覚えるレズビアンも居ます。
不自然だ!と。
そう言いたくなる気持ちも分かりますが、正直、その違和感を貫き通せるのはごく一部の恋愛強者レズビアンだけですね。
私も言わなくて済むなら言いたくないです。
でも、自然なままで愛して貰おうと思う方が傲慢だと私は思います。
ルックスも雰囲気もお互いに分からないネットの世界なら尚更です。
「ボイかフェムか」「タチかネコか」を書くのは必須。それにプラスして自分のアピールポイントをはっきりと書きますね……自分で書いてて恥ずかしいけど。
就活でも婚活でも何でもそうだけど、もうその活動自体が不自然なんだから、不自然な自分に慣れないと欲しい物を掴めない時代なんだなあと。
世の中、皆我先にと不自然のチキンレースをやっている現状です。
皆が背中に噴射機付けて100mレースに挑んでいる世界で、「体ひとつで俺は行く」とか言ってらんないなあ……と。
せちがらいですけどね。
でも私は同性愛者というハンデを背負って恋愛市場に出る人間なので、噴射機無しではとてもやって行けません。だから不自然万歳!です。
あと大事なのはこれがチキンレースだという事かも知れません。
スタートダッシュは必要ですが、最終的には本性を出さざるを得ない局面が必ずやって来ます。
その時に、見た目とか性的指向とかスペックとか関係の無い所で試されるので、そこへ行き着くまでの試練が不自然で身を固める事なんでしょうね。